平成 31 年4月
学校における
労働安全衛生管理体制の
整備のために(第3版)
~教職員が教育活動に専念できる適切な職場に向けて~
労働安全衛生管理体制の未整備は法令違反。
学校の設置者は、法令上求められている体制整備を!
教職員が教育活動
に専念できる適切
な労働環境の確保
学校における
労働安全衛生
管理体制の整備
学校教育全体
の質の向上
(1)教職員50人以上の学校で選任・設置を要するもの
○少なくとも週1回学校を巡視し、設備、作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、
直ちに教職員の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる。
<職務の具体的事項の例>
・健康に異常のある者の発見及び処置
・作業環境の衛生上の調査、作業条件・施設等の衛生上の改善
・衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項 等
◆衛生管理者:衛生に係る技術的事項を管理する者
(衛生管理者免許取得者、「保健体育」の中学・高校教諭、養護教諭等から、原則その学校に
専属の者を選任)
○健康診断・面接指導の実施、作業環境の維持管理等の教職員の健康管理※2等を行う。
○教職員の健康確保のため必要があるときは、学校の設置者に対し、教職員の健康管理等
について必要な勧告を行うことができる。※3
○少なくとも月1回※4学校を巡視し、作業方法、衛生状態に有害のおそれがあるときは、
直ちに教職員の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる。
※1 全ての学校に必置となっている学校医に加えて、選任が必要。(学校医と兼任することも可能だが、厚
生労働大臣が定める研修修了する等の要件を備えた者である必要がある)
※2 平成30年の労働安全衛生法等の改正により、産業医を選任した事業者(学校の設置者)は、産業医に対
し、労働者の労働時間や労働環境等、労働者の健康管理を適切に行うために必要な情報を提供しなけれ
ばならないこととされた。
※3 平成30年の労働安全衛生法等の改正により、学校の設置者が勧告を受けたときは、勧告の内容及び勧告
を踏まえて講じた措置の内容を、記録・保存するとともに、その内容を衛生委員会に報告しなければな
らないこととすること等とされた。
※4 学校の設置者から月1回以上、衛生管理者の巡視の結果等の所定の情報の提供を受け、学校の設置者から
同意を得ているときは、少なくとも2月に1回
◆産業医:産業医学の専門家として教職員の健康管理等を行う者
(医師のうち、厚生労働大臣が定める研修を修了した者等から選任※1)
1 学校において求められる労働安全衛生管理体制
(2)教職員10~49人の学校で選任を要するもの
(3)学校における面接指導体制の整備
<調査審議事項の具体的な例>
①教職員の健康障害防止、健康保持増進のための対策
②長時間にわたる労働による教職員の健康障害の防止対策
③教職員の精神的健康の保持増進を図るための対策 等
◆衛生委員会:衛生に関する重要事項について調査審議する機関
(校長、衛生管理者、産業医等で構成)
○衛生管理者の選任を要する学校以外の学校のうち、教職員10人以上の学校では、衛生
推進者を選任し、衛生に係る業務を担当させなければならない。
<職務の具体的事項の例>
・施設、設備等の点検及び使用状況の確認
・作業環境、作業方法の点検
・健康診断及び健康の保持増進のための措置
・衛生教育に関すること 等
◆衛生推進者:衛生に係る業務を担当する者
(一定期間衛生の実務に従事した経験を有する者等から選任)
◆産業医の選任義務のない学校の教職員の健康管理について
○ 教育委員会等の学校の設置者は、産業医の選任義務のない教職員49人以下の学校にお
いても、教職員の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師や保健師に
教職員の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない。
この場合、各校ごとに医師を選任するのではなく、教育委員会で産業医の要件を備えた
医師等を採用し、複数の公立学校の職員の健康管理を担当させる等の取組も有効である。
○以下の2つの場合、教職員の申出を受けて、遅滞なく医師による面接指導を行う必要が
あり、その体制整備※5が求められている。
・週40時間を超える労働時間が月80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる場合※6
・心理的負担の程度が高く、面接指導を受ける必要があると、ストレスチェックを実施
した医師等が認めた場合
○上記に該当しない教職員でも、健康への配慮が必要な者については、面接指導等を行う
よう努める必要がある。
※5 なお、平成30年の労働安全衛生法等の改正により、新たに教職員の労働時間の状況をタイムカード等の
客観的な方法等で把握するとともに、週40時間を超える労働時間が月80時間を超えた労働者に対し、
当該超えた時間に関する情報を通知することが義務付けられた。
※6 平成30年の労働安全衛生法等の改正により、長時間労働者への医師による面接指導の要件が変更された。
(4)ストレスチェックの実施
既存の人材・組織の有効活用例
◆衛生管理者・衛生推進者/産業医◆
既に資格を有している者(保健体育教諭、養護教諭等/産業医資格を持つ学校医)を活用す
ることにより、速やかな体制の整備が可能※9
※9 このことは、衛生管理者等を特定の職種の職員に限定するものではありません。
◆衛生委員会◆
必要な委員を確保した上で、学校保健委員会等の既存の委員会と併用することにより、比較
的簡単に体制の整備が可能
・医師等による労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェッ
ク)を年に1度実施することが学校の設置者に義務付けられている。※7
・ストレスチェックの結果、高ストレスであり医師による面接指導が必要と判断された
労働者から申出があった場合には、学校の設置者は、医師による面接指導を実施しな
ければならない。
・その結果、学校の設置者は医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、
労働時間の短縮等適切な就業上の措置を講じなければならない。
・学校の設置者は、検査を行った医師等に、ストレスチェック結果を一定規模の集団ご
とに集計・分析させ、必要に応じて、適切な措置を講じる。※8
※7 教職員数50人未満の学校においては当分の間努力義務とされているが、学校の規模に関わらず全ての
学校において適切に実施されることが望ましい。
※8 ストレスチェックの集団ごとの集計・分析及びその結果を踏まえた必要な措置は努力義務であるが、職
場環境におけるストレスの有無及びその原因を把握し、必要に応じて職場環境の改善を行うことの重要
性に留意し、できるだけ実施することが望ましい。
労働安全衛生管理の推進のためには体制整備後の実践も重要
職場全体で協力し、適切な労働環境の確保を!
体制整備が進まない主な要因 改善方策の例
関係法令等の認識不足 現場の意識改革
有資格者の不在 既存の人材・組織の有効活用
財政的な事情 教育委員会や管理職のリーダーシップ
2 学校における労働安全衛生管理体制の改善方策
衛生管理者の選任率 産業医の選任率
衛生委員会の設置率 衛生推進者の選任率
面接指導体制の整備状況(50人以上) 面接指導体制の整備状況(50人未満)※10
ストレスチェックの実施状況(50人以上) ストレスチェックの実施状況(50人未満)※11
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
100
80
60
40
20
0
(%)
小学校 中学校 高等学校
90.1 88.9 99.9 84.6 80.8
97.6
89.5 87.5 99.7 92.8 90.6 97.4
92.1 91.9 99.6
73.1 72.2
97.9
94.0 95.2 99.8
60.6 58.6
98.1
※10 週40時間を超える労働が月80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる場合に、教職員の申出を受け
て行う面接指導の実施は、学校の規模に関わらず義務付けられている。
※11 教職員数50人未満の学校においては当分の間努力義務とされているが、学校の規模に関わらず全ての学校
において適切に実施されることが望ましい。
※ 平成29年5月1日現在(文部科学省調べ)
※ 選任率・設置率:選任・設置を要する事業場のうち実際に選任・設置している事業場の割合
特に小学校・中学校における整備率が低い水準
市町村教育委員会をはじめとして早急な対応が必要!
3 公立学校における労働安全衛生管理体制等の整備状況
学校における労働安全衛生管理体制
の整備のために
~教職員が教育活動に専念できる適切な職場に向けて~
住所 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2
電話 03-5253-4111(内線 4950)
(連絡先) 文部科学省 初等中等教育局健康教育・食育課